ACW2 News
総会 分科会のまとめ 女性センター、ユニオンなど
第2分科会のまとめ
やりがいの搾取 女性センター非常勤
申込者は20名でしたが当日参加は15名でした。
第2分科会のテーマは「やりがいの搾取 女性センターの非正規雇用を問う!」でしたが、組合活動や女性センターの役割についての話が中心で、やりがいの搾取についての議論はほとんどなかったのは、個人的には少々残念でした
1.勤務形態のひどさ 非正規・低賃金・1年契約と雇い止めの3劣悪条件がそろっている。
2.女性センターが何をするところか、あいまいになっている。
*根拠法がないことも一因か
*特に使用者は全く理解していない
*働く側は「やりがいのある職場」とおもっているのに・・・
*やりがいはあるが、処遇は低い
3.関西某女性センターの相談事業の予算が0査定となったように、女性センター運営に「経済効率」や「経費削減」が導入されてきている。
4.(内部の声)DV関連にしか予算がつかなくなっている。
*相談のDV相談特化
○女性センターの相談は、DVだけでなく多様な相談を受けている
○女性センターは「女性の心のセフティーネット」のはずだ!
○それが失われつつある
5.(外部から見ると)女性センターは行政の女性政策の後退に対して、対抗してきたのか。
*若い女性、ワーキングプアに対し、何をしてきたのか(どのような支援をしてきたのか)?
6.首都圏の女性センター、ご当地県の女性センター、関西随一の女性センターでは、組合を結成して財団と交渉を積み上げ、女性センター運営に参加していく道を作ってきた、対等に話し合ってきたという実績が報告された。
*それでもなお、処遇は低い
7.30年近い女性センターの雇用を振り返ると、多様な形態の非正規雇用があり、低賃金、雇い止めはいっそうひどくなっている。
*嘱託、派遣、有償ボランティア、NPO業務委託など
8.これらに対する戦略として、職員の組合活動、そして女性センターの中心機能を再構築していく必要がある。
(1)その1段階として、「女性行政」について、内閣府と交渉
(2)各地女性センター非常勤職員の実態(雇用と組合活動実績)アンケート調査とヒアリングを行う
9.以上を受けて、今後ACW2は、女性センターの職員の処遇と女性センターの位置づけ、あり方を提案していく。
以上です。
最後になりますが、分科会世話人の1人として、また女性センターで働いた経験を持つ者としての感想を。
ACW2が働く女性の拠り所であるとすれば、女性センターは、労働に限定しない「女性の生きることにかかわる多様な相談を受ける、女性の拠り所」といえます。多くの女性センター相談員は、そのように考えて働いています。
ただ、ACW2は社会活動、政治活動、ロビー活動ができますが、女性センターはその面では制約があります。行政へのフィードバックが精一杯のところでしょう。ACW2と女性センターが協働していけば、多くのことができるのではないでしょうか?
その意味からも、2009年の「女性センター職員実態調査」に期待ています。
ユニオン・フリーター・シングルマザー合同分科会
この分科会はもともと単独でそれぞれ「ユニオン」「フリーター」「シングルマザー」分科会として行われる予定であったのが、希望者数が少なかったため、合同で行われることとなったものです。
しかし蓋を開けると20名以上のかなりの人数が集まり、二つのグループに分かれて、ワークショップ的な手法を用いた話し合いが行われました。
分科会は「女性の貧困を見えるものに、ゆっくり生きて関係を豊かに」という総会シンポジウムのテーマを引きつぎ、具現化させるための作戦会議の様相を呈しました。
教育機関や企業からの若年層の排除やドロップアウトが日常化した結果、経済の貧困のみならず「一人でいるほうが安心」と時に感じざるを得ないようなコミュニケーションからの疎外、いわば「関係の貧困」が問題となっている中で、「生活相談と労働相談が往復していく場」としてのユニオンの現状の試みや、当事者の関係作りという点ですでに実践が行われているシングルマザーたちの試みとが相互に分かち合われることがまさに「関係の豊かさ」を具現化する一つの小さな試みだった、と言えると思います。
分科会では「安心できる場」としての人々の集まりをいかにつくりあげ、さらにそこから「希望が見える場」をいかに生み出すかということが大きなテーマとなりました。
そこでまず「何が今抱えている困難か」
を、まず思いつくままに模造紙にポストイットを使い並べてゆきました。
「朝起きれないことが辛い」「気に入った飲み屋がなくなった」「(職場で)女の愚痴の言い合いになるのがいや」「組合員へのフォローが忙しくて出来ない」「長時間過密労働」「非正規職員なので契約更新がある」「能力主義」「同僚の攻撃的な態度」「正社員内の格差」「会社の合併」「地域の人間関係の希薄さ」・・・どんどんとポストイットが貼られてゆきます。悩みの質の違いも含め、まずお互いの「苦労」を知り合うところから始まりました。
そこで改めて「安心できる場とは何か」という次の問いへと進んでゆくと、「本音が言える場」「NOと言える場所」「我慢しないでいい場所」「多様でいられる場」「感情をきちんと扱う場所」と言う声が圧倒的でした。「本当のことを言える・感情を無視しない場所作り」が喫緊のテーマであることが改めて確認されました。それゆえに「お茶会っぽいものを広める」「発言できる勇気を持てる(ときにはトレーニングの)」場を作ること。さらには、「労働基準法などの権利を知らない」ことから「教育」の場を作る必要性を感じ、「労働基準法を教えに行く」、「勉強会を開く」等という意見もありました。
最後に、ある方の発言を紹介したいと思います。「自分は猛烈に働いてきた人間だったが、息子はある日から不登校。それこそ『朝起きられない』という状態が続き、怠けているのかと思ったが、懸命に生きようとしていることが最近はようやくわかってきた。この場で『朝起きられない』という人を理解しようとすることは息子をほんとうに出来るということなのだ」、と。
一見、違う問題を抱えていると思われた者同士であっても、理解しあうことにより多様性を担保し、安心しうる場所がまさにそこから生成される。分科会の中にその萌芽があったことをお伝えし、報告の終わりとさせていただきます。