ACW2 記事
記事のトップ > ACW2からのお知らせ「希望」に風をおくる・・・「なめたらアカンで!女の労働」出版
「希望」に風をおくる ― 著書出版にあたって
元原告 屋嘉比ふみ子
本のタイトル「なめたらアカンで!女の労働」は提訴当初からのスローガンで、入社以来、女であるがために踏みにじられてきた、民主主義を享受する権利と「人としての尊厳」を取り戻すため、孤立無援の職場で頑として闘い続けたひとりの女の叫びである。それはまた、働く女性の大半が持ち続けた憤怒に満ちた想いでもあり、普遍的な課題として京ガス事件は全国の労働者から注目されてきた。日本ではじめて裁判の俎上に載せて闘い、勝利したペイ・エクイティ(同一価値労働同一賃金原則)運動は、男女差別の是正のみならず非正規雇用が拡大する現在、「均等待遇」実現に向けて見過ごせない切り口になるはずだ。
絶望的に見える現状の中で、女性たちやマイノリティと位置付けられた人々の運動は広がり、様々な怒りが「人らしい生活を求める」行動に転じて大きく横につながりつつある。
均等待遇アクション21の全国ネットの運動や、働く女性の全国センターACW2、また全国のNGOの仲間と連帯を広げながら、私たちが求める働き方や生き方を検証し、実効ある「差別禁止法」の立法化や職場での具体的な均等待遇を勝ち取るまで力を束ねていきたい。
私の自著はもちろん素人の拙作であるが、裁判と職場闘争の軌跡を綴ることで、ペイ・エクイティ運動と労働運動のリンクを改めて提起するものである。
失いかけた「希望」に風をおくるメッセージとして何らかの糧になればとの願いをこめた。ご一読頂ければ幸いです。
『京ガス男女賃金差別裁判 なめたらアカンで!女の労働―ペイ・エクイティを女たちの手に』
(07年9月発行/明石書店/1,890円)