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WWNの正路さんレポート
1月20日、韓国YMCAで、190人の参加で、働く女性の全国センターが発足しました。初めに、結成までの歩みと今後の目的と活動について、伊藤みどりさんより報告。「女性差別撤廃条約の批准、均等法が制定されて21年になるが、働く女性を取り巻く状況は、より厳しく、非正規雇用化と貧困化が促進されています。2004年9月アメリカのデトロイトで開催された日米働く女性の教育ワークショップから学んだ参加型教育の大切さ、昨年の改定均等法を巡る院内集会で積み上げた当事者の声を国会に反映させる活動を通して、ネットワークからセンター結成となりました。目的は次の4つ?女性が元気に働き続けるための活動?一人でも豊かに生活できる賃金?女性にたいする差別と暴力の根絶?女性ひとりひとりが尊重され、可能性を発揮できる仕組みをめざす。取り組み事業は?働く女性の個別紛争解決サポート?調査研究?情報の集約と提供?政策提言?教育啓発?そのほか、働く女性が必要とするすべての活動です。3年間で10000人の会員を」
ゲストトークは田中美津さん。70年代、ウーマンリブの旗手だった彼女は、今や鍼灸師として女性の健康を守る人に。格差社会と言うけれど、いつだって女は差別され、子宮から血を流しながらこの国の繁栄を支えてきた。90年代、バブルがはじけ、リストラが横行した頃、眠れない、食べられない、耳鳴りがする、生理不順という訴えが激増。男性にあわせた夏の冷房で、免疫力がおちた。カローシと鬱だらけで、体が悲鳴を上げている。ACW2のスタートを祝って、彼女から唄のプレゼント「痛みや切なさに共感すること、生きていることは色っぽいこと、恋も仕事も生きがいもこの手で青空つかむのよ、発車オーライ」
大阪出身の音楽ユニット「杉本緑地公園」によるリコーダーや鍵盤ハーモニカによるユニークな音楽の後、あきらめない仲間たちによる3分間リレートークがありました。
そしてもう一人のゲストはマリア・リーさん。「全国組織が出来たら何が出来るか」を韓国の経験を通して具体的なお話がありました。
「韓国でも日本でも、新自由主義とグローバリゼーションの中で同じことが起こっています。韓国では1970年代の軍事独裁時代に、女性たちは立ち上がりました。
1987年に労働者の大闘争があり、1989年にはソウル、釜山、インチョンなどあちこちにあった組織がネットワークをくんで「韓国女性労働者会」を結成。男性からは「何故男性とは別の会を作るのか、分裂行為ではないか」という声もあったが、1992年には?女性の雇用?平等賃金?セクハラ?母性保護や育児休業などを全国的な要求として、韓国女性労働者協議会を作り、女性団体や労働組合に呼びかけた。この会は大きくはなかったが、全国的な組織だったので、ほかの団体に呼びかけることが出来た。ところが1997年のアジア通貨危機の中で、せっかく取り組んだ成果が失われそうになった。政府と財界は「女性は家庭に帰れ」とキャンペーンをはり、女性は首切りの嵐に。そこで「女性失業対策委員会」を作り、女性の世帯主の実態を調査して、?セーフティネットの構築?女性が単純労働から脱出するための職業訓練の必要性を政府に提言。毎週水曜日に国会の前で集会をしていたら、ほかの市民団体も加わってだんだん大きくなっていった。30年間NGO活動をしているが、この失業対策委員会で獲得した成果はとても大きい。女性省や福祉省の中に失業対策の委員会を作り、NGOからも委員を派遣することが出来た。
景気回復後、女性の非正規労働者が増えたが、希望を与え、力を持つことが必要と言うことで「韓国女性労働組合」を結成。500人でスタートして今は7000人。?最低賃金の引き上げ・・委員の中に自分たちの代表を入れる?非正規労働者の差別賃金是正・・正規の半分というのは人権侵害だとして国家人権委員会に提訴し、「差別」と認定。政労使委員会を始めすべての政府の機関に30パーセントの女性を送り込んだ。
女性が中心になって、運動を起し、政策提言して、女性省で具体化していく・・韓国のダイナミックな運動と、ACW2のこれからの課題が納得できたお話でした。
デトロイトのハイジ・ゴットフリード先生がゲストメッセージとして「世界中で労働者は痛めつけられている。でも女性たちが動き出したのが希望である。次はスタジアムに数万人であつまりましょう」と言ったように、夢が膨らむ熱気にあふれた集会でした。
WWNでは、本日250人の会員でスタートしたAction Center for Working Women(=ACW2)について、メーリングリストのメンバーと総会にこられた人にはお知らせ致しましたが、ニュースレターでのお知らせは今回初めてです。ぜひWWNの会員の皆さんも、この会のことを周りの方に広めてください。
詳しくはホームページをご覧ください。
http://acw2.org/ 報告:正路怜子