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日本、女性運動の流れ “労働市場の性差別と戦おう”
1月2日 ‘働く女性の全国センター’結成
チョウイ・スンミ記者
2007-01-23 06:20:23
最近、日本の女性運動団体らが集まり、働く女性の全国センターを作り、女性の労働権の確保のための活動を拡げるとした。女性労働の非正規職化、職場のセクハラ、賃金差別など、ますます深化される労働市場の性差別に共同で対応しようという趣旨だ。日本の女性団体の動きは、労働市場における家父長的な構造が日本と同様の韓国社会に示唆するものが大きい。
労働現場の性差別 “いっしょに考え、いっしょに行動しよう”
“派遣社員として働いている途中、上司のセクハラを受けた。会社に訴えたが、会社側は、「おまえの代わりはいくらでもいる。静かに働け」と脅かした。職場を失うことを心配したが、このような仕打ちに我慢できなかった。現在、加害者と会社を相手に、団体交渉を行っている。セクハラの問題がほかでもない女性の労働問題であることを知らせていきたい」Sさん(北海道女性ユニオン)
“去る30年間、名古屋銀行で働いてきた。昇進はなかったし、賃金はたった400円あがった。銀行の労働組合は、この問題に対し「女だから、しょうがない」と対応した。それで、名古屋地域の女性ユニオンを作った。今日、その設立申告をしてきたところだ。”Kさん(名古屋女性ユニオン)
20日、日本各地の女性ユニオンと全国シェルターネットワーク、日本フェミニストカウンセリング学会、セクハラホットラインセンター、大学ジェンダー研究センターなどのNPO法人が集まり、日本社会でますます深刻になっている労働現場の性差別に対抗し、共同連帯しようと「働く女性全国センター ACW2(Action Center For Working Women)」を設立した。
発足記念イベントには、現在団体交渉、告発と訴訟を行っている女性が出て自分たちが被ってきた労働現場での性差別について生々しく証言しながら、日本社会で決してこのような現実を「許さない」という意志を強く表した。
韓国と同様の日本の性差別的な労働現場
代表的な労働市場での性差別の事例としては、職場内のセクハラ、性差別賃金制度をはじめ、最近日本の社会で多く増えた公共サービス部門の臨時パート職の女性労働問題、10・20代女性の労働条件などが取り上げられた。
‘兼松総合商事’で42年間、働いてきたHさんは、会社の評価では中間評価をもらったが、入社して5年目の26歳の一般職の男性より賃金がすくないという。Hさんは、「これは、男性は一般職、女性は事務職として区分する「コース別賃金制度」があるから可能だことであり、あきらかに女性差別だ。また、これは、性別を理由とする経済的差別を禁じた憲法14条の違反だ」と話しながら、11年間も行っている裁判の迅速で公正な判決を促すことに参加してくれることを会場へ頼んだ。
さる2004年国立情報学研究所で非正規事務職として働いている途中、解雇さえたMさんは、現在最高裁判所の3審の裁判を訴訟中であるが、「公共サービス職の分野で低賃金の臨時職として働きながら結局解雇される女性が多い。必ず、3審の裁判で勝って、公共機関で起きている性差別を防ぐ」と言った。
学生とフリターを支援する運動団体のPOSSEで活動するSさんは、「まともな職業もなしで無責任に人生を生きていると非難される10代、20代の女性フリターたちは、生き残るたねに必死で働き、深刻なセクハラも我慢している。私たちの集まりの名前POSSEが意味するように、私たちの権利を持つために、努力し、力を育てる。どのように、若い女性たちを支援できるか探るため、この場に出た」といいながら、連帯の意志を表した。
去る10月整理解雇に対する訴訟をはじめたOさんは「市川房江記念会財団法人で働いていたが、団体交渉の途中経営悪化を理由に即時解雇された。1920年代女性参政権運動を主導した市川房江記念会からこのようなことが起きているという自体が、日本の社会で女性労働権が深刻な状況に晒されているという証拠だ。」といいながら、「労働法の整理解雇の用件を守らない女性労働者の解雇をけっして許さない」と話した。
労働現場で女性たちは「窒息直前」
働く女性の全国センターは発足声明書で女性が労働現場で悲鳴に近い音を出し、苦しみ喘いでいるといいながら、日本女性労働の現実が窒息直前だと指摘した。
多くの職場で正規職の業務が派遣職とパートタイムなどで非正規職かされており、これは、女性の労働力で当てたれているという。日本総務省の労働力の調査結果によれば、2005年全体4900万労働者の32.3%が非正規臨時職で働いており、2100万女性労働者の52.5%が非正規職として働いていると集計された。
また、声明書は公共サービス民営化といっしょに保育士、看護師など、ケア労働と関わる業務の現場で急激に労働環境が悪化されている点、政府の少子化対策のモットとは反対に職場では、妊娠を知らせたことだけで、事実上解雇にちかい「退職奨励」が絶えない点、政府の女性への再チャ―レンジー支援計画とは反対に、児童福祉手当と生活保護が削減されている点をつよく批判した。
このような女性労働力の疲弊の状況から、日本厚生労働省の労働局の相談件数は90万件を越え、民事訴訟にいたることになる個別労働紛争の相談件数も18万件を越えるなど、歴史上、最多の記録をみせている状況だという。声明書では、女性に対する労働条件が時代を逆行する現実をこれ以上「がまんしないで」、「女性とともに力をあわせ、変えていく」と表明した。.
働く女性全国センターは、発足に伴い、日本の労働法上の労働契約書とは別に、雇用主が女性労働者と個別的に作成する「就業規則」に対するアンケート調査や実態調査を実施し、「就業規則」が女性に不利な労働条件を造りだしているという事実を確認した。この資料に基づき、今年国会に想定される「労働契約法案」の就業規則優先条項について「改悪阻止」運動をしていく予定である。また、女性労働者たちの個別紛争の解決・支援に焦点をあわせるいっぽうで調査研究は政策提言も行う計画だ。
発足記念イベントでは、全国各地の女性が「働く女性の全国センター」へ取り寄せたメッセージが紹介された。「わたしが働いてた会社はセクハラだけではなく、パワーハラスメントも深刻な状況だった。わたしは、そのようなことを目のあたりにしながら、女性のためのカウンセリングを習う計画を立てた。働く女性の全国センターができてすごく嬉しい。女性の力が育てられ、それを支えられるようなそのようなセンターへと発展してほしい」(愛知県から匿名のメッセージ)
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